レジーナ・ホテル・バリオーニ（ローマ）

20年ぶりにローマへ行ってきました。ローマのホテルは良くないと言われる中、さて、ホテルは何処にしましょうか、と悩みました。昼間は街歩きに出かけるので、最高級ホテルは必要ありませんが、環境と治安の良いホテルが希望でした。ガイドブックや雑誌で紹介されているホテルを、ネットで検索して宿泊者の生の声を調べました。

ヴィットリオ・ヴェネト通り		対面のホテル・ウェスティン・エクセルシオール

その結果、私たち夫婦が選んだのは、ヴィットリオ・ヴェネト通りにある５ツ星の「レジーナ・ホテル・バリオーニ」です。大通りの反対側にはアメリカ大使館があり、エクセルシオールやエデンなどの有名ホテルもすぐ近く、また突き当たりには緑豊かなボルゲーゼ公園がありました。深夜のテルミニ駅からもタクシーで10分、また、スペイン広場には徒歩で1３分位という便利な場所にありました。部屋数は143室の、中規模なホテルでした。

412号室（スタンダード・ダブル）	109号室（デラックス・ツイン）

ナポリへの小旅行を挟んで4泊しましたが、前半が412号室（スタンダード・ダブル）、後半が109号室（デラックス・ツイン）の部屋でした。109号室では、ツインのベッドは重厚感のある木製で、白いリネンに清潔感がありました。シャンデリアが輝き、カーテンや壁紙は重厚感がある素材でした。箪笥やTVなどの大きな家具が入っているので、部屋が狭く感じられたのは残念でした。洗面台はダブルシンクで、バスタブは普通のものでした。

ホテルのロビーとサロンは、シャンデリア、ソファーとカーペットが美しい古典的なインテリアでした。４月なのに暖炉の火が赤々と燃えていました。印象に残ったのは、大理石、ブロンズ仕上げの階段とカーペットが織りなす美しさでした。このホテルには中庭がなく、テラス・レストランもありませんが、ローマの中心部ということを考えると、仕方がないと思いました。

レストラン「レ・グラツィエ・デル・カノヴァ」はこぢんまりとしていました。朝食はブッフェで、パンにしても生ハム・サラミにしても色々と用意されていますが、お味はまあまあね、と言いながらも、しっかりと食べました。ミラノに滞在した時は、ホテルの傍のバールで、カフェラテと菓子パンで朝食は簡単に済ませることも出来ましたが、このホテルの周りにはバールが一軒もないので、毎回ここで朝食を食べることになりました。

特選ディナーの案内も部屋に来ましたが、街歩きで疲れてレストランでは食べずに、部屋でルームサービスをお願いしました。野菜スープにパン、スパゲッティとサンドイッチです。野菜スープは具沢山で、良い御味でした。

平日はスーツ姿のビジネスマンが多いのですが、週末は「フェラーリ・クラブ」の会員の方々が大勢いました。金曜日から2泊３日の予定で、フェラーリ・クラブの総会があったようで、サロンやロビーに、スーツやドレスで正装した人々がいて、吃驚しました。朝食で一緒になった会員やスタッフが、フェラーリ・カラーの赤色のTシャツ、ポロシャツやブルゾンを着て、楽しそうに食事をしていました。 　フェラーリ・クラブの方々を見て、「皆で同じ赤色を身に纏って楽しいのかしら？」と夫に言うと、「赤いレプリカ・ユニホームを着て群れている鹿島アントラーズのサポーターと同じだよ」と言われて爆笑しました。

ここで、ホテルから程近い印象的なスポットを紹介します。

開店の準備をするレストラン。大きな「歩道」の中に店があるのが、日本には無い面白さ。	ボルゲーゼ公園の入口の一つ、ピンチアーナ門。

ボルゲーゼ公園	レスピーギの交響詩「ローマの松」というのがありますが、こんな「ローマの松」は全く想像していませんでした。剪定の方法が違うために、日本で見る松と全く違って見えます。まるで中空に並んで浮かぶかのような松は、驚きでした。

ボルゲーゼ美術館、ベルニーニの「アポロンとダフネ」が有名。	ボルゲーゼ美術館脇の庭園

「ローマの松」を見ながら、「ピンチョの丘」に向かう。	「ピンチョの丘」の展望台からポポロ広場を望む。中央のオベリスクは、皇帝アウグストゥスが紀元前１世紀にエジプトから持ち帰ったそうだ。

映画「ローマの休日」でも有名な、スペイン広場＆スペイン階段。２０年前と比べて人で埋め尽くされている。左側後方にはトリニタ・デイ・モンティ教会があるが、修復中の被いがブルガリの広告板となっている。右側後方は、ホテル・ハスラー。	スペイン広場、バルカッチャ（船）の噴水。	スペイン広場、焼栗を売るお兄さん。

トレヴィの泉。建物の壁面を利用して彫像や噴水が作られているのが面白い。２０年前には閑散としていたのに、ここも人の波で、座る場所の確保にもたいへんでした。

紀元前の神殿を起源とするパンテオン、修復中で興ざめ。前のロトンダ広場も人で埋め尽くされている。	イタリア統一記念のヴィットリオ・エマヌエーレ２世記念堂。でかい！、白い！。

コロッセオ 猛獣や戦士の叫び声が聞こえてきそうな錯覚に陥る。すごい建築物。

さてレジーナ・ホテル・バリオーニには、スパやショップはありませんので、５ツ星の滞在型ホテルとしては物足りません。しかし、ローマの名所旧跡を歩き廻ることが目的の宿泊者には、快適な眠りを提供するホテルです。過去のイタリア旅行で経験した、夜中の街中の騒音や、水廻りの音が気になるということは一切なく、毎日、良く眠ることが出来ました。そういう理由では、ローマ観光にお勧めのホテルです。

	アメリカ大使館に近い為か、仕事のアメリカ人が多く、ビジネスマン向けの高級ホテルと言えます。部屋のセキュリティボックスが不調な場合は、貴重品はレセプションで保管すると書かれており、実際そうなってしまいました。 　ローマの街歩きには便利な場所にありますが、５ツ星にしては平凡過ぎます。レストランが一カ所なので、選択肢が少なくて残念でした。
薄いけれどもＡ４版の豪華なパンフレット

Fuji TIARA ix TITANIUM CONTAX 645 D35mm F3.5, P80mm F2 / Fuji PN400, FORTIA SP 作成日　2005/8/20、　最新更新日　2008/08/23